営業先の管理をExcelで行っている会社は少なくありません。
会社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、商談内容、次回連絡日などを一覧にしておけば、最初のうちは十分に管理できます。
特に営業先が10社、20社くらいであれば、Excelでも大きな問題は起きにくいでしょう。
「この会社には先週メールした」
「この担当者から返信が来ていた」
「次は月末に連絡する予定だった」
このくらいの件数なら、社長や営業担当者の記憶でも何とか追えます。
しかし、営業先が50社を超えたあたりから状況は変わります。
Excelに情報は入っているのに、営業活動がうまく回らなくなってくるのです。
50社を超えると、何が起きるのか?
一番大きな問題は、フォロー漏れです。
営業では、初回の連絡だけで仕事につながることは多くありません。
一度メールを送り、その後にもう一度連絡する。
資料を送ったあと、数日後に状況を確認する。
名刺交換した相手に、忘れられないうちに連絡する。
このような「次の一手」が大切です。
ところが営業先が50社を超えると、誰にいつ連絡したのか、誰から返信が来ているのか、次に誰へ連絡すべきなのかが見えにくくなります。
Excelを開けば情報はあります。
しかし、毎日Excelを開いて、1件ずつ状態を確認し、返信の有無を見て、次回連絡日を探す作業は意外と面倒です。
その結果、こうなります。
「あとで連絡しようと思っていた会社を忘れる」
「返信が来ていたのに見落とす」
「同じ会社に似た内容のメールを送ってしまう」
「営業リストはあるのに、動いていない」
つまり、営業リストは存在しているのに、営業活動が止まってしまうのです。
Excel管理の弱点は「通知してくれない」こと
Excelは表を作るにはとても便利です。
会社名や担当者名を整理する。
業種ごとに並べ替える。
メモを残す。
こうした作業には向いています。
しかし、Excelは基本的に「自分から教えてくれる道具」ではありません。
たとえば、初回メールを送ってから7日たっても返信がない会社があったとします。
本来であれば、そこはフォローメールを送るタイミングです。
しかしExcelは、何もしなければ教えてくれません。
自分で開いて、自分で日付を見て、自分で判断する必要があります。
営業が忙しい社長にとって、この「自分で確認し続ける」という作業が大きな負担になります。
情報が増えるほど、判断が遅くなる
営業先が増えると、Excelの行数も増えます。
最初は見やすかった表も、50社、100社と増えていくと、だんだん見づらくなります。
さらに、メモの書き方がバラバラになることもあります。
「見積送付済」
「後日連絡」
「反応あり」
「様子見」
「来月また連絡」
このようなメモが増えると、今どの会社を優先すべきなのかが分かりにくくなります。
営業で大事なのは、すべての会社に同じ力をかけることではありません。
今すぐ連絡すべき会社。
返信が来ている会社。
少し時間を置いた方がよい会社。
しばらく動かさなくてよい会社。
この違いをすぐに見分けることが大切です。
しかしExcelだけでは、営業の優先順位が見えにくくなりがちです。
営業管理で大切なのは「忘れない仕組み」
ここで大切なのは、Excelをやめることではありません。
ExcelやGoogleスプレッドシートは、中小企業にとって今でも使いやすい道具です。
問題は、ただの一覧表として使っていることです。
営業管理に必要なのは、営業先の情報を保存することだけではありません。
必要なのは、次の行動を忘れない仕組みです。
たとえば、
初回メールを送った日を記録する。
7日たって返信がなければ「リマインド必要」と表示する。
返信が来たら「返信あり」に変える。
次回連絡日が近づいたら、すぐ分かるようにする。
必要な会社だけ、Gmailの下書きを作成する。
このような仕組みがあるだけで、営業の抜け漏れは大きく減ります。
営業は、気合いよりも仕組みで続ける
営業が苦手な会社ほど、営業活動を気合いや記憶に頼ってしまいがちです。
「時間があるときに連絡しよう」
「覚えていたらフォローしよう」
「返信が来たら対応しよう」
しかし、日々の仕事が忙しくなると、営業はどうしても後回しになります。
特に中小企業では、社長自身が営業、見積、制作、現場対応、請求まで行っていることもあります。
その中で営業先50社をすべて覚えておくのは、かなり大変です。
だからこそ、営業を自動化するのではなく、営業を忘れない仕組みが必要になります。
まとめ
Excelで営業先を管理すること自体は間違いではありません。
ただし、営業先が50社を超えると、一覧表だけでは限界が出てきます。
誰に連絡したのか。
誰から返信が来たのか。
次に誰へ連絡すべきなのか。
どの会社を優先すべきなのか。
これらを人の記憶だけで管理するのは難しくなります。
営業で大切なのは、たくさん連絡することだけではありません。
連絡した相手を忘れないこと。
返信を見落とさないこと。
必要なタイミングで、もう一度声をかけること。
その積み重ねが、次の相談や受注につながります。
営業リストは、ただの名簿ではありません。
未来のお客様との接点を育てるための大切な資産です。
その資産を眠らせないためにも、Excel管理から一歩進んだ「営業を忘れない仕組み」を作ることが大切です。